通常、社会で使用される電力は最大ピークに合わせて、常に発電できるよう発電所システムが設計されています。これはピーク時と通常時の差があればあるほど、発電所ごとの稼働率が異なり、簡単に表現すればコスト過多な状況となっています。
また停電時など、不慮の自体に陥った時に電力の需給バランスが崩れ、災害クラスの大停電に発展する可能性があります。
仮想発電所（VPP）を利用することで、大きな発電所だけの電力に頼る必要がなくなり、私たち個人で一定のベース電源（＝主な電気供給源）を獲得することができるようになります。

今日まで携帯電話が一般化されたように、電力業界でも蓄電池やIoT機器が一般的になると言われています。高価だった蓄電池の価格も下がり、電気自動車が一般化することで、再生可能エネルギー発電設備の価値が高まります。再生可能エネルギー由来の電気を多く貯められる環境ができれば、電力ピークを平準化することにも繋がり、また電気代の節約をすることが可能になります。
今後、仮想発電所（VPP）のシステムを利用することで、個人の家計だけではなく、社会一般に再生可能エネルギーの普及を効率よく進めることができ、環境にいい社会の実現をサポートすることにつながります。

最近ではインターネットを利用して、古着や家電をフリーマーケットに出品することが一般的になりました。今後は仮想発電所（VPP）が構築されることによって、同じように個人が電力を販売することが可能になります。太陽光パネルで発電した電力だけでなく、市場価格が安い時間帯に買った電気を蓄電し、市場価格が高い時間に販売することが可能になります。
私たちはこの仮想発電所（VPP）を、日本で一般的にするために日々活動をしていますが、世界ではすでに稼働している例も多く存在しています。現在日本では、法整備などの課題を残していますが、仮想発電所（VPP）を実現することで、再生可能エネルギーの再販売が可能となり、電力を有効活用できるようになるでしょう。